千びきのうさぎと牧童
ポラジンスカ, 内田 莉莎子, M・ブィリーナ
ポーランドの昔話です。
ヤニーナ・ポラジンスカの民話集「まほうの本」の中から、七つのお話を選んであります。
どれもとても夢のあるすてきなお話です。
「もっくもっく」はいえのけむりの話で、けむりのおかげで皆が幸せになれるという、とてもユーモアのある楽しい話。
「まほうの本」は三人の娘の話。kakaが「いつも三番目が成功するんだよね。」とうれしそうに言っている大好きな話。
昔話によくあるけれど、思わず三人目の娘を応援してしまう面白い話。
「白いひつじ」雪のようにまっ白いひつじと主人公との愛のお話。
ステキなお話です。
「帝王鳥」この本の中で一番長い読みごたえのあるお話。
三人の王子の話。末の王子の冒険たっぷりです。
この本のお話は、どれも夢があって神秘的で不思議、そしてとても魅力的な話です。
大人が読んでもけっこう楽しめるのでは?
千びきのうさぎと牧童
けんか
けんか
シャーロット ゾロトウ, Charlotte Zolotow, Ben Shecter, みらい なな, ベン シェクター
主人公の女の子がメアリという友達とけんかをしてしまうお話です。
けんかと言っても、一方的に態度を変えられて、自分ではなぜメアリが
そんな事をするのか解らない。
お母さんは、勇気を出してメアリに聞いてごらんなさい、とアドバイスします。
女の子ってこういうけんかしますよね。
誰でも一度はこんな経験するのでは?
意見が合わなくてけんかしたのなら原因も解っているけど、なんだか理由
の解らないけんかって気持ち悪いし、とってもいやですよね。
こういう経験をしながら、成長していくのでしょうか?
この主人公、とっても優しい子ですね。
なぜって、突然、理由もわからず、冷たくされて、悩んで傷ついたのに、
メアリのことすぐ許せて、好きって言えて。
フレデリック
フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし
レオ・レオニ, 谷川 俊太郎
牧場の古い石垣に住む五ひきの野ねずみの話です。
野ねずみたちは冬にそなえて、とうもろこし、木の実、小麦、わらを
集めた。みんな昼も夜も働いた。けれどフレデリックだけは べつ。
おひさまのひかりをあつめたり。いろをあつめたり。ことばをあつめたり
していた。
冬が来て、野ねずみたちは、石垣のかくれがにこもった。
食べ物もなくなり、寒さに耐えられなくなったとき、フレデリックの集めた
ものが、みんなを元気にする。
野ねずみの絵も愛嬌があってかわいい。
子どもだけじゃなく、大人も楽しめる絵本です。
どんぐりのぼうけん
どんぐりのぼうけん
エルサ・ベスコフ, 石井 登志子
どんぐり坊やのオッケとピレリルが、かしの葉に乗って空に飛んで行って
しまいます。
おかあさんが心配しているところに、りすのスバンス氏がやって来て、
二人を探してくれることになりました。はしばみのヌッタもついて行きます。
スバンスさんが子どもたちを無事連れて帰ってくれた時、はしばみ夫人が
あんなに心配させたんだから、しかった方がいいんじゃない、と言いました。
すると、子どもたちがスバンスさんにもうしかられたと言いました。
どんぐりおかあさんは、
「そう、それじゃもういいわ。たすかったわ。子どもをしかるのは、いちばん
いやなことですものね。いろいろごしんせつにしてくださって、ありがとう、
スバンスさん。」
と言いました。
どんぐりおかあさんの子どもたちを愛している優しさが伝わってきます。
お話はパーティーで終わります。とっても楽しそうなパーティーです。
マドレーヌといぬ
マドレーヌといぬ
ルドウィッヒ・ベーメルマンス, 瀬田 貞二, Ludwig Bemelmans
いちばん おちびさんのマドレーヌが、散歩中にすべって川へ落ちて
しまいます。
1匹の犬が飛び込んで助けてくれました。
みんなは犬を連れて帰ります。
犬はジュヌビエーブと名付けられ、一緒に暮らし始めます。
ミス・クラベルはすばらしい先生だと思います。
権力のある委員長が犬を飼ってはいけないと追い出してしまいましたが、
ミス・クラベルはみんなを連れてジュヌビエーブを探しに行きます。
ミス・クラベルのような大人が側にいてくれたら、子供は幸せでしょうね。
規律正しいけれど、窮屈なわけではなく、ゆったりした安心感と愛情を
感じます。
最後はとっても楽しい終わり方です。
この絵本を読んだ子は、大満足でしょうね、きっと。