愛蔵版のばらの村のものがたり 全8話
ジル バークレム, Jill Barklem, 岸田 衿子
「のばらの村のものがたり」は、そこに住むねずみたちの物語です。
このねずみたちは、いつも幸せで楽しそうです。
みんなとってもやさしくて、思いやりがあって、どの家の子供も自分の
子供と同じように大切にします。
大人が本当に大人でとても頼れます。こんな大人たちに育てられたら、
子供は本当に幸せだな、と思います。
絵もとてもきれいです。木の家の断面図みたいなのは面白いし、台所
とか家の中はとてもリアルでその家にお客に行ったみたいです。
お花や景色の季節感もすごく感じられます。
のばらの村は愛に包まれた、とても居心地の良さそうな所です。
こんな所に住んでみたいな。
のばらの村のものがたり
クマのプーさん プー横丁にたった家
クマのプーさん プー横丁にたった家
A・A・ミルン, 石井 桃子, A.A. Milne
とっても楽しくて面白い。ユーモアたっぷりのお話です。
笑いたい人はぜひどうぞ。
子供に読んであげたい、あたたかい笑いです。
子供の本だけど、大人だって十分笑えます。
特に面白いのは「コブタがゾゾに会うお話」と「コブタがまたゾゾに会う
お話」。
どちらもとっても笑えます。気の小さいコブタと、マイペースでとぼけた
プーとのコンビが、何かすると、とんでもなくおかしい話になります。
こわくてパニックになったときのコブタの言葉がとってもおかしい。
子供たちも大笑いしました。
カンガとルーの親子も楽しい。特にカンガの気の強いところは愉快です。
みんなとっても個性的で、愛されるキャラクターたちです。
にぐるま ひいて
にぐるまひいて
ドナルド・ホール, バーバラ・クーニー, もき かずこ
この絵本は、ニューイングランド人の家族の生活が描かれています。
19世紀初めのニューイングランド地方に暮らす家族の生活をドナルド・
ホールが近所のいとこから聞き、いとこは幼いころ、ある老人から聞き、
その老人は子どものころ、大変なお年寄りから聞いたという語り継がれ
たお話です。
昔の人々の生活のきびしさと共に、自然の中で生きる幸せも感じます。
大変だろうけど、こののどかさもすてきだなと思えます。
バーバラ・クーニーの描いている家族、ほのぼのとして幸せそうです。
この絵本を読むと「すばらしい季節-タシャ・チューダー(著)」を思い出し
ます。
「にぐるま ひいて」は、仕事や生活中心の季節感を描いていて、「すばら
しい季節」は、サリーという女の子の目から見た、季節の中で幸せを感じ
るすばらしい時を描いています。
農場のほのぼのした風景、かえでのみつ、自然の中で動物と共に
過ごす。
どちらも自然と共に、季節を感じて生きているのがすてきです。
ごんぎつね
ごんぎつね
新美 南吉, 黒井 健
このお話は涙なくしては読めません。
和風のとってもきれいな絵です。悲しさが倍増するくらいきれいです。
ごんがまたかわいい。
いたずらっこ ごんが、反省して くりやまつたけを兵十のところに毎日
持って行きます。
ある日、兵十に持って行ったところを見つかって、銃で打たれてしまい
ます。何とも悲しいお話です。
いたずらっこだけど、やさしいところもあって、ショーティーとダブって
しまいます。
しっぽがなくて足が短かったら、ショーティーではないか。
ショーティー、ショーティー。大丈夫か~い。ウェ~ン!!
shorty:ママ、どうしたですか、泣いたりして。
mama:あ~。ショーティーがー。てっぽうでー。ウェ~ン。エ~ン。
shorty:ママ、なに言ってるですか、ぼくちん、今日も元気にいたずら
してるですよ。
mama:え!あ!そう。よかったー。話に入り込みすぎたのね。
shorty:ママ、絵本にそんなに入れるですか!!
頭の中は、もしかするとぼくちんより幼いですね。
その年で人間国宝ですね。
うさぎさん てつだってほしいの
うさぎさんてつだってほしいの
シャーロット・ゾロトウ, こだま ともこ, モーリス・センダック
女の子がうさぎさんに、お母さんの誕生日プレゼントをさがすのを手伝っ
てもらう。
お母さんの好きな色、あかいもの、きいろいもの、みどりいろのもの、
あおいいろのもの、とみつけていく。
夢中になって最後のプレゼントができた時には、もう星空になっている。
センダックの絵です。独特の不思議な雰囲気。うさぎさんも不思議。
でも、とってもやさしいから、うさぎさんはお父さんかな?
お父さんだったら、赤いものに、「あかいけいとのはらまき」とか「あかい
やね」「あかいしょうぼうじどうしゃ」って、ちょっぴりからかっている・・・?
子供には、まったく、プレゼントにふさわしくないものから、ああこれだ!
というものに行くところが楽しいのかな?